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キスとキスの合間に 蓮視点

その恋は、片想いだった。
この想いは届かない。
そして自分の戒めもまだ達成できていない今告白することも出来ない。
どれだけ彼女との距離がわずらわしく、切ないものだと感じやるせなさだけが心に渦巻く
この想いを伝えられればどれだけ楽だろうか?
そして、そんな俺を見て社さんは「へたれいつ卒業できるんだ?」と訪ねられていた。
そんなつもりは無かったが、やはり両想いになる為には最上さんの心の氷を溶かす必要があった。
そんな時、テレビ局でコメンテイターの仕事が入っていた。
普段なら決して請けない仕事だが、今回は訳が違う。
それは、不破尚と彼女もこの番組に出るということだ。
今現在、復讐も止めてしまった彼女は不和尚が強引なアプローチを賭ければ揺らぐかもしれないということだった。
どうか揺らがないでと心の中で叫ぶがどうにもならずに押さえ込むのに必死だ。
「よー、キョーコ今日はちゃんとやってくれよな?」
「わかってるわよ、そんなことあんたに言われなくても私の方があんたより慣れてるんだから!」
順調に撮影が終わり帰るときに事件がおきた。
向こうのほうで不和尚が、彼女を抱きしめようとしていた。
邪悪な思念と嫉妬が身を焦がして詰め寄ると、ほっとしたのか彼女は俺の背後に隠れていた。
その表情は視線だけで人を殺すといわんばかりの顔に不破も頬を引くつかせた。
「大丈夫?最上さん?」
「は・・・・イ・・・だい・・・・じょうぶです。」
心なしか怯えているような気がして肩を抱くと踵を返しその場をあとにしようとした。
「待てよ・・・敦賀さんよ、そいつは今日俺と食事に行くんだよ!」
「最上さん?彼そういってるけど約束していたの?」
キュラキュラ似非紳士スマイル発動させていた。
「い・・・い・・・え、勝手に松太郎がきめているだけです。」
「そう、じゃあ行こうか?」
「はい!」
「待てよ・・・」
俺のライバルと認めたくない相手をライバルにしなければいけないことが心苦しいが、復讐を止めた彼女をいつ不破が射止めるかもわからない!
あせる気持ちがいらだちに変わり今告白しなければダメな気がしていた。
彼女の気持ちが変わってしまう前に俺の気持ちを伝えよう。
放したくないという強い力で、肩を抱いて哀願するような表情で見つめた。
「最上さん・・・送っていくよ、今日もう遅いし。」
車の中では、どうやって告白しようか考えあぐねていた。
そして無言の空間が立ちこめると潤んだ瞳で見上げられて思わず手を伸ばしそうになっていた。
「嫌わないでください・・・」
「どうか、嫌わないで!」
「嫌いになるはず無いだろ?俺は君が好きなんだから!」
はっとした。こんな所で言うつもりなど無かったのに・・・。
大きく見開かれる瞳に涙が零れ落ちていた。
「あ・・・あの敦賀さん?今・・・なんて」
「俺は、君が好きなんだ。」
ぽろぽろと大きな瞳から頬を伝って涙がこぼれていた。
「ひっく・・・う・・・うれ・・・しです・・・ひっく・・・私も・・・好きだったんです・・・ずっと・・・・言えなくて」
そしてお互いに見つめ合ってキスを交わしていた。


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